破折ファイルが残ってしまったが治癒している症例
お世話になっている先生からご紹介いただいた症例です。
レントゲンで確認する限り、近心根に2本、遠心根に1本の破折した器具の残存が認められます。
除去を試みましたが遠心の1本がどうしても取れませんでした。
半年後
病変は縮小しております。
2年後
綺麗に影がなくなりました。
3年経ちました。
特に気になる症状もなく、レントゲンでも再発を認めます。
このように、破折器具が残っていても、無菌的に処置していれば問題にならないことがあります。
無菌的処置とは、ラバーダムや、器具の滅菌です。
金属が体に悪さをするわけではないので、このような症例もあります。
しかし、ラバーダムをせずに治療した場合、神経の管に感染が起きてしまうためにファイルが掃除の邪魔になり、ファイルが残存することで治療失敗することにつながることになります。
「ファイルが折れているから抜歯です」
という説明は間違っています。
正しくは、「感染がおこった神経の管を洗浄したいけれど金属の破片が邪魔で掃除できません」
になります。