【確認】歯周病|東京日本橋の歯医者|ほうじょう歯科医院新日本橋

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【確認】歯周病

歯周病とは

歯周病の症状

歯周病とは

歯周病とは歯根(歯の歯茎の中に埋まっている部分)に歯周病菌が感染し歯肉や骨に炎症を起こす疾患です。歯周病菌は沢山の種類が関わっていることが判明しており、歯がある人であればほとんどの人が歯周病菌に罹患していると言っても過言ではありません。

歯周病の主な症状は歯ブラシに血が付く、歯茎が下がってきた、歯がしみる、歯が揺れてくる、口臭があるなど様々です。中には放置しすぎたために歯が抜けて初めて歯周病に気づくということもあったりします。また、歯周病は虫歯と違い、鋭い痛みなどのわかりやすい症状が無いことが特徴です。よって肝臓の病気のようにサイレントキラーと呼ばれることもあります。

痛みが無いからこそ歯科を受診し、抜けてしまう前に治療、予防をしていくことが肝心です。

歯周病の種類

歯周病にはいくつか種類があります。しかし、分類が時々変化するために名称が変わることがあります。今回は歯周病学会に載っている、病態で分類しているものをご紹介します。

歯肉病変

プラーク性歯肉炎 一般的な歯肉炎のことで歯垢が原因で歯肉が腫れた状態を指します。子供でも大人でもなります。歯肉から血が出ることで知られています。
非プラーク性歯肉病変 これは例外的なものを指します。例えば皮膚粘膜疾患や外傷によるもの、アレルギーによるものなどがこれに当たります。
歯肉増殖 薬物により歯肉が異常な増殖をきたすことが知られています。血圧の薬やてんかんの薬が有名です。

歯周炎

慢性歯周炎 一般的な歯周炎のことです。歯肉炎が酷くなった状態とご理解いただけるとわかりやすいかと思います。骨が慢性的な炎症により吸収している状態で、膿が出ている状態を「歯槽膿漏」と言われたりします。(専門用語ではありません)
急性歯周炎 これは珍しい疾患です。子供にもまれに見られ、前歯の正中の歯と、奥から二番目の歯に特に発症しやすいことが知られています。A.アクチノミセテムコミタンスという菌が検出される傾向にあると言われていますが例外もあるので難しい病気です。
遺伝疾患に伴う歯周病 遺伝疾患により歯周病になってしまう症例があります。

これらの他に壊死性歯周炎などもありますが例外中の例外なのでここでは割愛します。

歯周病の治療

歯周基本治療

歯周病には色々種類があるということは前項で書かせて頂きましたが、基本的な治療自体はすべてに共通しており、至ってシンプルです。歯周病だけでなくすべての歯科疾患に共通するのは治療に入るまえに、歯ブラシが出来ているかを確認、指導することです。これが出来ていないと、どんなスーパードクターが治療しても一向に改善しません。以下はブラッシング指導が終わった前提でさせていただきます。

歯周基本検査 歯周病はどうやって診断するかというと、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の隙間に細い定規のようなものを挿入し、診断していきます。その際に、2mmまでは正常、3~4mmまでは初期の歯周炎、6mmまでは中等度、それ以上だと重度歯周炎と言われています。歯根は12mmまでしかありませんので、ポケットも最大12mmになります。
スケーリング 歯石を除去することをスケーリングと言います。歯石は細菌の塊が口腔内のカルシウムを吸収し、石のようになった状態です。歯石はさらに歯垢を吸着する働きがあるために、これを除去しないと延々と歯垢が付いてしまいます。
再評価1 スケーリングによって軽度の歯周病は治癒してしまうことがあります。しかし、治癒しないケースも勿論多いため、治療が今後も必要なのかを確認するために再評価を行います。再評価はポケットの検査をします。
ルートプレーニング ルートプレーニングとは、平たく言うと歯茎の中の歯石を取ることです。見えないところまで歯石が付いていると歯周病も治りませんので、これを除去します。
再評価2 再び検査をし、ポケットが改善したか確認します。歯周病の治療はとても地味ですがこれの繰り返しになります。

前歯部であれば、基本治療をしっかり行うことで骨が新たに生成されるケースもあることが歯周病専門医の間では知られています。以下に一例を示します。

治療前(歯周病で骨が喪失)

治療前

治療後(骨の生成)

治療後

初診時は、骨の喪失が認められます。そのため、歯が動揺しています。治療後は、骨の回復が認められます。歯の揺れも治まりました。 臼歯部ではなかなかこのような症例ですと抜歯になりがちですが前歯は治りが良い場合、このような骨の回復が起こりえます。

歯周外科

歯周病の治療を行ってもポケットが改善しないことが多々あります。そのような場合に歯茎を切除し治療をすることがあります。

フラップ手術

上記のルートプレーニングは歯石が見えずに手探りで歯石を取ります。なので治癒しなかった場合、歯茎にメスを入れ、実際に見える状態にしてルートプレーニングをするオペを指します。歯周ポケットは無くなりますが骨は生成しません。フラップ手術をすると歯茎が下がる症例もありますので注意が必要です。

歯周外科・エムドゲイン

歯茎を開いて骨の欠損部にエムドゲインという薬剤を入れる方法があります。エムドゲインを用いた方法とGTRと呼ばれる人工骨、メンブレンを使用して骨を新たに生成させる方法があります。エムドゲイン、歯肉移植など、日本ではあまり馴染みが無い 治療ですが、諸外国では80年代から行われてきた歴史ある治療で、歯学部に通うと必ず習います。しかし実際には行えない歯科医師がほとんどなのは、あまりに難易度が高く、症例もしっかり選ばないと失敗するからです。保険が利かないことも要因かもしれません。

歯周病によって失われた骨を新たに生成する「エムドゲイン法」

前歯部であれば、基本治療をしっかり行うことで骨が新たに生成するケースもあることが歯周病専門医の間では知られています。以下に一例を示します。

治療前(歯周病で歯が動揺する)

治療前

治療後

治療後

初診時は、他院で歯周治療を行うが腫れを繰り返すとのこと。赤いラインのところに大きな骨の欠損が認められます。エムドゲインによる歯周外科オペ後1年。骨の生成が認められます。排膿の再発は起きておりません。もちろん、歯の動揺もなくなりました。

メンブレン、人工骨を使用したGTR症例

治療前

治療前

治療後

治療後

分岐部に歯周ポケットが出来てしまい、膿が出てしまった症例です。分岐部をよく掃除してから人工骨を入れ、軟組織が入ってこないようにメンブレンを入れました。術後、分岐部の骨が出来ていることが確認できます。動物実験より理論上はメンブレンだけでも問題ありません。しかし、メンブレンが適切な場所に維持されるようにするために人工骨を入れるほうが簡単と言われています。

歯肉の移植

CTG治療

退縮した歯肉を新たに生成する術式をCTG(Connective Tissue Graft:結合組織移植術)と言います。FGGとの違いは、FGGは歯肉の上皮組織と結合組織の2層の組織を一緒に切り取って移植する方法に対し、CTGは結合組織のみを切り取って、移植先の上皮組織と骨膜の間に移植する方法です。上皮を移植しないので、歯肉の色は変わりませんから、前歯部の歯肉移植に向いています。

治療前(歯周病で歯肉が下がっている)

治療前

治療後(CTG治療後)

治療後

歯茎が下がり、知覚過敏が生じていたため、CTGを行うことにしました。歯肉が下がっている箇所に、歯の裏側から採取した移植片(結合組織)を移植し歯肉を延長します。

FGG治療

歯茎が痩せてしまい、ブラッシング時に粘膜に触れて痛いことがあります。これを治療するために歯肉を移植する術式があり、それをFGG(Free Gingival Graft:遊離歯肉移植術)と言います。歯肉の上皮組織と結合組織の2層の組織を一緒に切り取って移植する方法です。硬い歯肉の部分が少ない臼歯部の歯肉移植に向いています。

① 歯周病で歯肉の幅が無くなっている

治療前

② 移植片を採取

治療後

① インプラントを埋入した箇所に歯肉がなくなっていたため、FGGを行うことにした。

② FGGは上皮ごと移植片を採取します。CTGと同じく歯の裏側から採取してきました。

③ 移植直後

治療前

④ 回復後

治療後

③ オペ直後。上皮組織と結合組織のセットになった移植片を移植しました。

④ 抜歯し回復した歯肉です。術前より格段に歯肉の幅が増えているのがわかります。インプラントも入っています。

3次元超音波切削機器ピエゾサージェリーについて

3次元超音波切削機器ピエゾサージェリーほうじょう歯科日本橋では、歯茎などの軟組織へのダメージを抑えながら、超音波振動によって歯や骨などの硬組織を切削できる「ピエゾサージェリー」を完備しております。

当院では、歯周外科で歯や骨などを切削したり、歯石を取り除く際に必要に応じてピエゾサージェリーを使用いたします。

歯周病治療の期間

歯周病菌は残念ながら無菌化が出来ません。一度治療してもメインテナンスが途絶えてしまうと必ず再発してしまいます。よって、ある意味治療期間は歯があるうちは一生と言っても過言ではありません。動的治療に関しては重症な患者さんでない限りは3カ月くらいが目安になります。重傷で歯周外科やエムドゲイン法などが必要な患者さんは半年以上必ずかかると考えて良いと言われています。

歯周治療のリスク・注意

全ての歯科治療において言える事ですが、絶対にうまくいく治療というのは存在しません。患者さんのブラッシング、全身的な状態など、さまざまな要素が絡み合います。また、歯周治療で、スケーリングですら菌血症になるケースもあります。歯肉からいつも血が出ているような状態ですと感染も起こしやすいので、日々のブラッシングをしっかり行ったうえで治療に臨んでいただくべきです。

歯周病と全身疾患

妊婦さんは歯周病になりやすいと言われています。また、歯周炎の存在がある場合、早産のリスク、低体重出産のリスクの2つが数倍に跳ね上がります。また、昔から糖尿病と歯周病はかかわりが深いと言われています。理由として歯周病の治療を行うことで、炎症性のサイトカインという物質が減少し、すい臓の負荷を減らすことが考えられています。また、歯周病は心内膜炎の原因菌にもなりえると言われています。健康な一生を送るためには歯周病を解決することが非常に重要になっております。

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